振り込め詐欺

 一昨日のお昼頃、パート先に母から電話がかかってきました。曰く「今日中に50万円必要になったから、近くの郵便局まで出て来て欲しい」と。
 大金が必要な理由を聞いても、後で話すの一点張り。仕方が無いので上司に頼んで昼休憩の順番を早めてもらい待ち合わせ場所の郵便局へ。
 合流後も、「東京の方で一人暮らしをしている上の弟が今日の3時までに200万必要になった」という説明のみで、その理由は後で話すと頑なに拒む母。仕方ないので多少無理に聞き出したところ、「1年ぐらい前に会社の女性と不倫して、半年ぐらい前にその女性が子供を中絶。その人には夫も子供もあり、その時は会社の株を買って話をつけが、今回200万必要になった。すでに1ヶ月その旦那さんには待ってもらっているから、今日の三時までにどうしても金がいる」ということらしい。
 ・・・・・・ハイ、タイトルどおり「振り込め詐欺」の典型的パターンです。
 しかも、前日の日中に「扁桃腺が腫れて明日病院に行く、携帯を落としてしまったので番号が変わった」と、あらかじめ電話をかけて来ていたのだから、用意周到な輩です。
 その変更したという携帯番号に自分の携帯から電話をかけると即留守電に繋がり、その数分後に折り返しかかってきました。出た相手はゴホゴホ言っているものの明らかに弟よりも声が低く名前を呼ぶと「おうおう」と答え、声がおかしいがどうしたと聞くと「扁桃腺が腫れた」と言ってくる。この時には母も疑っており、隣から「誕生日を聞いてみて」というので「ところでお前、誕生日はいつだったかの?」と聞くと、言葉を濁して「上司が呼んでるから、すぐ行かなければいけないので切る」と応じ、病院には行かなかったのかと聞くと「行ったけど忙しいから今仕事に出てる」と言って電話を切りやがりました。
 もうここまでくると母も幾分か冷静さを取り戻し、上の弟のいつもの電話番号に電話してみると当の本人が電話口に出ていつもと変わらぬ声で「どうした?なんかあったか?」と聞いてきました。扁桃腺や携帯を落としたことや不倫の事を聞いても当然「はぁ?何のことじゃ?」と呆れた声で返答が。そのまま母に替わると心底ほっとした声で「ああ、良かった」といって会話していました。
 郵便局で合流した時、母はすでに150万も下ろしていたのですから、ホント危機一髪でした。
 その後夕方に、母が近くの派出所に届け出たところ、近隣でも似たような被害が十数件起こっており、うち数件は実際振り込んでしまった人もいたそうです。お巡りさんの話だと、高校の卒業者の名簿が流出している可能性があるとか。
 というわけで現在、母は四方八方から昼夜問わずお説教を喰らっています。幸い今回は被害が出ていないのでこうして書き込めるのですが、もしあの150万だけでも振り込んでいたら、もし母がパート先の自分に電話をかけて来ていなかったら、もし要求された金額がもっと少なかったら、と考えると本当に紙一重でした。
 巧妙化してきている手口といい、皆さんくれぐれもご注意を。ゆめゆめ自分は大丈夫などと思わぬように、ヤツラはソコに付け込んで来ますよ。